松本太一録

なぜハダカデバネズミは寿命が長いのにがんを発症しないのか?

なぜハダカデバネズミは寿命が長いのにがんを発症しないのか?

科学雑誌Natureに、寿命が長いのにがんを発症しないネズミががんの発生を抑えているメカニズムを明らかにした論文が発表されていました。

がんを発症しない不思議なネズミ

ハダカデバネズミというブサイクながら愛くるしい姿をしているネズミがいます(下図)。

高分子ヒアルロン酸はがんの発生を抑える

このマウスの最大の特徴は、寿命が長いということ。よく耳にするハツカネズミの寿命が1~1.5年なのに対して、ハダカデバネズミはなんと約30年も生きるのです。また、驚くべきことに、寿命が長いにもかかわらず、がんを発症しないんです。

なぜハダカデバネズミが、寿命が長いのにがんを発症しないのかを解明して、がんの予防や治療に役立てようとする研究が世界各地で行われています。

培養液がドロドロに!?

2013年、アメリカ・ロチェスター大学の研究チームが、ハダカデバネズミの線維芽細胞(コラーゲンを作ることで有名な細胞)を培養したところ、培養液が数日でドロドロになっていることを発見しました。

このドロドロの正体はなんと、よく耳にする「ヒアルロン酸」だったというのです。ただ、注意しないといけないのは、サプリメントに配合されている「低分子」ヒアルロン酸ではなく、「高分子」ヒアルロン酸ということ。

そこで、ハダカデバネズミの線維芽細胞の遺伝子を解析したところ、ヒアルロン酸を作る経路が活発になっていて、ヒアルロン酸を分解する経路は抑えられていたそうです。

この研究チームは、ハダカデバネズミの線維芽細胞にがんを引き起こす遺伝子を導入しました。しかし、それだけでは、がん化しませんでした。

しかし、がんを引き起こす遺伝子を導入したハダカデバネズミの線維芽細胞の培養液に、高分子ヒアルロン酸を分解する酵素を加えたところ、がん細胞特有の立体的なコロニーを作ったというのです!

高分子ヒアルロン酸はがんの発生を抑える

この一連の実験から、ハダカデバネズミは高分子ヒアルロン酸をたくさん分泌することで、がんの発症を抑えていると考えられるわけです。

まとめ

前述したように、サプリメントに含まれるヒアルロン酸は「低分子」です。これはサプリメントとして飲んだ時に吸収を良くするためですので、恐らくがんの発症を抑える効果はないんじゃないかと推察します。

もし、僕達人間も高分子ヒアルロン酸をたくさん分泌できるようになれば、がんの発症を予防できるのかもしれませんね。高分子ヒアルロン酸をそのまま食べてもきっと吸収されないでしょうが、高分子ヒアルロン酸の分泌を促進する食物成分ってないのでしょうか。とても興味があります。

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